作成日: 10/03/01
修正日: 10/07/28

放射線防護の原則

何でもトレードオフに帰着する



第2回のコラムは、素直な学生さんがよく混乱している“放射線防護の三原則”が扱われています。


結局トレードオフになると思うけど、
 ・ 線源に近づいてしまうけど素早く作業するのか?
 ・ 時間はかかるけど遮蔽体をたくさん使って作業するのがよいのか?
 ・ すばやく作業できるベテランに集中して行ってもらって集団線量を減らすのがよいのか?
など素朴な疑問には答えていない原則だから、疑問を持ちがちな学生さんに人気がないのだと思うわ。

「三つの原則の優先順位を書け」という問題は、その観点からは、学生さんの疑問に答える教育的なものであるように思う。


球の表面積は半径の二乗に比例するという当たり前のことを、わざわざ原則としているのも、何のためなのかよく理解できなかったわ。
「(無限)平面となれば距離による幾何学的減弱効果は期待できなくなる。」とあるのは、どうしてかしら?

球の表面積で考えているように「距離の逆二乗則」前提があると言うことだそうです。
真空の空間で無限に長い“線状”線源の場合には距離のマイナス1乗に、無限に広がった“面状”線源の場合には同じくゼロ乗になるということです。想像できるかな?

現実的に考えると空気の遮蔽効果の考慮の方が重要じゃないのかな。

 

β線だけじゃなくて、X線や中性子線でも空気がそこそこ減弱させるので、その効果を見込まなくてよいのかなあって疑問を持たれてしまうかもしれない。
高層階にある治療病室の放射線安全評価だと空気の遮蔽効果も積極的に見込むとよいのじゃないかな。

「指先にちょっとしたRIが付着したとき、距離がゼロだから線量は無限大になると腰を抜かす」なんて例は本当にあるの?


なんと文献「塩化タリウムによる放射線皮膚炎」があったりする。
解説(JSRT,JSNM) も併せてどうぞ。